†第1章† 拉致

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俺は、魔球の支配者ルートヴィッヒ大王の一人息子、ルーク。 昨日の午後、後ろで女が倒れてくる気配がした。 教育係にレディファーストをたたき込まれていたので、よけずに下敷きになってやった。 ドサッ その時、思わず吸い付きたくなるような甘美な香りに包まれた。 女が立ち上がる。 振り返って見てみた女は、ビスクドールと見間違えるほどの美少女だった。 あの顔に見覚えがあるような… で、デートに誘ってしまった… んっ? 右手の薬指にはめている指輪がキツい… なんで?? 昨日まで普通だったぞ…? 真ん中にはまっているルビーが、光りはじめる。 もしかして、あの女の子… 俺の初恋の… あの、亡くなったドラクロワ伯爵の一人娘の、アリスなのか…? 俺が、初めて血を飲んだ相手……
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