#第拾伍話#

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明らかに不自然な止まり方をした観覧車に動揺を隠せないでいると、ゴンドラに備え付けられたスピーカーから遊園地の係員らしき人物の音声が入った。 「ただ今、強風が吹いているため、一時的に運転を停止しております。強風が止み次第、運転を再開させますので、今しばらくお待ち下さいませ」 「…成る程。風が吹いてるから止めた訳か。やれやれ…って、九条?」 両腕を交差させて二の腕を触る椿は、肩を震わせながら顔を蒼白にさせた。 一樹は、それを見て即座に気付く。 「まさかお前…高所恐怖症、なのか?」 「う…うん…」 .
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