38人が本棚に入れています
本棚に追加
ぶっきらぼうな事しか言えない一樹だが、内心では椿の弱々しい一面に照れていた。
あぁ…やっぱり普通の女の子なんだと。
「…あのね───」
「ん?」
「ホント言うと…私、遊園地に来るの始めてなんだ」
「は…?」
意外なカミングアウトに驚く一樹に、椿は途切れ途切れに話を続ける。
「‥昔はね、父さん達は忙しくて、なかなか、構って貰えなかったの。遊園地だって、来た事なかったし、家にも帰って来なかった時もあったの。だから、ウッシーが遊園地の事を話してくれたから、凄く嬉しかった」
「…そっか。だから張り切ってたんだな?」
.
最初のコメントを投稿しよう!