#第拾伍話#

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ぶっきらぼうな事しか言えない一樹だが、内心では椿の弱々しい一面に照れていた。 あぁ…やっぱり普通の女の子なんだと。 「…あのね───」 「ん?」 「ホント言うと…私、遊園地に来るの始めてなんだ」 「は…?」 意外なカミングアウトに驚く一樹に、椿は途切れ途切れに話を続ける。 「‥昔はね、父さん達は忙しくて、なかなか、構って貰えなかったの。遊園地だって、来た事なかったし、家にも帰って来なかった時もあったの。だから、ウッシーが遊園地の事を話してくれたから、凄く嬉しかった」 「…そっか。だから張り切ってたんだな?」 .
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