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俺は無表情で自分の席に戻り、頬杖をついた。
俺は小さい頃から、『名前が女の子みたい』とからかわれることがよくあった。
その中には、ただ仲良くなりたかっただけで、きっと悪気があって言ったわけじゃない子もいただろう。
それでも幼く、強くてカッコいいヒーローに憧れるような年頃だった俺の心は、少しずつ、けれど確実に傷だらけになっていった。
次第に俺は無口になっていき、少しからわれただけでも眉間にシワをよせ、誰も近づけないような雰囲気を醸し出していた。
そんな俺に気を使って、友達はみんな、俺のことを『加藤』と苗字で呼んだ。
――ただ一人を除いては。
俺は押し寄せてきた記憶の流れに身を任せた。
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