第一話『イレギュラーメフ』

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彼が教室に吹き飛ばされて、数分後。 クラスの面々は驚きながらも、近づく。 「生きてるのか?松岡ってノーマルじゃ…」 「し、死んでるんじゃないの?」 そういう面々がいる中、彼は起き上がる。 それと同時に回りから「ひっ」と怯える声が聞こえる。 辺りを見ると、ノーマルとメフ。 関係なくグラハムを見て引いている。 「ふっ、俺の美貌故…視線を釘付けにしてるのか」 「違うわっ!!」 クラスメイトのツッコミをスルーして、同時に飛んできたカバンを拾うと席についた。 冷静にしているが、相当傷が痛んでいる。 「(超痛い…超痛い…腸痛い…いや、腸は痛くない…だけど腹超痛い)」 腹の傷ばかりが痛むのは気のせいだろうか? ほかの場所も攻撃された。 いや、気のせいでは無い。 腹の傷が痛すぎて他の傷などささいなかゆみ程度にしかすぎない。 これも全て自業自得なのだが。 「今日も頑張ろう…俺」 自分を励ましながら、頷いた。 そして、数十分するとチャイムと同時にクラスメイトたちは全員席につく。 担任である麗音が入って来た。 そして、HRが始まる。 「さて、今日もいつも通り変わったことは無い…と言いたい所だが」 少し真面目な顔をする。 「最近メフ狩りが隣り街で起こっていたんだが…昨日、この街で起きた」 教室がざわめく。 『メフ狩り』とは隣り街で起きていた。 いや、もっと前からココ東京都からもっと離れた場所で起きていた。 それにも関わらず。 ここまで到達したのは何故だろう? 被害者の『メフ』は老若男女関係なく、体のどこかに文字が彫られている。 『来たるべき時のため』 警察はそれを『反メフ』宗教の狂信的な教徒では無いかと考えている。 それもそうである。 そんな言葉を彫って歩く犯人なんて今まで居なかった。 「皆、帰るときに気をつけて欲しい…ノーマルもだぞ、今だ被害が出ていないと言っても…わからないからな」 その言葉を最後に、HRは終了した。
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