第一話『イレギュラーメフ』

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時は跳んで放課後。 グラハムは今日も理科室へと着ていた。 「まったく、お前も飽きないな…」 そう言いながら、グラハムはコーヒーを入れる麗音を見ている。 今度は彼女がグラハムを見る。 「お前も飽きずにここに来るな」 「誘うからだろ」 「一番暇そうだからな…」 そう言ってコーヒー片手、なにかの書類になにかを書き込む。 「仕事だろ?」 「まぁな…だが一人でコーヒーを飲みながらする仕事というには微妙だから」 理解した。用は暇つぶし。 友人もどきだ。 「暇そうな奴なら五万と」 「メフ相手じゃできない話しもあるんだよ」 その言葉に、少し理不尽さを感じてグラハムは言い返す。 「それは差別に入らないのか?」 「違うな」 やはり理不尽な気がしてならない。 だが、我慢。ここは我慢だ。 そう心に言い聞かせる。 「お前みたいな奴の方が気が楽だしな」 信頼しきった笑みでそういわれる。 溜息半分。 「上手く丸め込まれた気がするな」 「気にするな、私は気にしない」 麗音が書類に何かを書き込んでいく。 たまに喋る麗音と問答する程度に話しながらコーヒーを飲んでいく。 その内時間と共に、腹部の痛みも治まっていった。
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