プロローグ『2015』

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「そう、ボクは思います」 レポート全てを読み終えた。 静まり返る教室。 全40人の教室で、さらに黒板の前でそれを読み終えた生徒。 そいつはこのクラス35人の『メフ』の睨みを受けながら席につく。 そいつの周りにいた三人の『一般人』共はそいつを嬉しそうに褒め称えていた。 レポートを読んだそいつもそいつで自慢げだ。 「ばっかみてぇ」 教室の端。楽しそうに笑う青年が一人。 名を<松岡 グラハム> ただの『人間』だ。 「メフねぇ」 少なからず、グラハムとて『人間』として『メフ』に興味が無いわけではない。 彼らは人間よりよほど身体能力だけでも強いのだ。 若い人類の8割が『メフ』の今『人間』は肩身がせまい。 教師が、教室の前に立つ。 その表情は困ったような表情だ。 白い長髪の女教師は、少し何かを考えるような仕草を見せる。 そして話しを始めた。 「今のレポートはあまり評価できないな、現代社会のレポートとして良いのだろうが…ノーマルがメフを差別したような言葉遣いがある」 『ノーマル』とは? 言わば先ほどまで『人間』と言っていた存在。 能力を持っていない人間だ。 最近は社会問題として『メフ』と『ノーマル』の格差社会や差別がある。 教室がざわめく。 ノーマルの4人が焦ったような表情を見せる。 「だったら最初から言うなよ」 他人事のように言って、グラハムは黒板に書かれた内容をノートに写す。 数分もしない内にチャイムが鳴った。 これで今日の授業は終了だ。 女教師が言う。 「松岡グラハム、お前は後で理科実験室な!」 呼び出されたグラハムが顔をしかめる。 溜息を吐いて、両手で大きな○を作った。 満足そうに頷いて出て行く女教師。 グラハムは深く溜息を吐いた。
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