プロローグ『2015』

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車が走って、一件の家の前に止まった。 二階建ての家だ。 結構大きい家なので、運転手こと麗音は口をあんぐり開けておどろいている。 その口を見てグラハムが一言。 「栗みたいな口しやがって、しゃぶれよ」 「お前はなにを言っているんだ?」 「なんでもない」 そう言って、グラハムが車を出る。 ほぼ回復しているのか、普通に立ち上がる。 「じゃ、サンキュ~」 「ありがとうございますだろう」 そう言って、麗音は車を走らせて去った。 玄関前の門を開いて、階段を上る。 カードを出して、ドアの横についている端末に当てる。 鍵が開く音がした。 「ただいまっと」 真っ暗な家に入ると、電気をつけて歩く。 居間の電気をつけると、電気こたつのスイッチを入れた。 服を脱いで居間の服かけにかけると、テレビをつける。 別の服を着て、ようやくこたつに入った。 「忘れてた、メシだ」 そう言いながら、彼は再びこたつから出て立ち上がった。
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