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教会での式の前、入り口のドアで入場時間を待つ間。
普段無口な父が、
『歌音よかったな。大雅ならお父さんも安心だ。お前も大雅を信じてしっかりついて行くんだぞ。』
と言って目を真っ赤にした。
『はい。お父さん。今まで本当にありがとうございました。』
そう言って私は深々と頭を下げた。
すると父の目からは一粒の涙がこぼれた。
そして教会のドアが静かに開いた。
バージンロードの先には大雅が立っている。
大雅のもとまで父と腕を組み、一歩ずつゆっくりと進んでいった。
大雅の前まで着くと父は、
『大雅、歌音を頼んだぞ。』
と言って大雅の手をとり固く握手をした。
大雅は
『はい、必ず幸せにします。』
と答えてくれた。
私達はこうしてみんなの前で永遠の愛を誓った。
式は無事終わって、みんな外に出てブーケトスをした。
私は後ろ向きで思いきり高く投げた。
私の手を離れたブーケはクルクルと回りながら、玲奈の手の中に飛んでいた。
玲奈はブーケを降りながら手をあげて、
『やった~!!!ありがとう!』
と飛びはねながら叫んでた。
私も玲奈が受け取ってくれて本当に嬉しかった。
教会から披露宴会場まではホテルの計らいでリムジンに乗せてもらった。
ほんの少しだったけどお姫様みたいな気分になった。
私達は広い車内でもぴったり寄り添って手を繋いでいた。
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