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「はぁ」
シエンが旅立って数日後、非番だったラークはセレルディアを散歩していた。
(シエン隊長、いつ帰ってくるんだろう?)
隊のトップがいないからか任務もまわされず、訓練ばかりの日々に早くも飽きてきていた。
「こんなこと言ったら駄目なんだろうけど、何かないかなぁ」
そう言いながら角を曲がろうとした時、前から走ってきた誰かとぶつかった。
「っと」
「っ、ごめんなさい」
ぶつかったのは少女で、ラークは倒れこんだ彼女に手を差し出した。
「大丈夫かい?」
「ありが…」
「見つけたぞ!こっちだ!」
お礼を言い掛けた少女を遮るような声がして、少女はハッと後ろを振り返った。
見ると、フードを被ったいかにも怪しげな男達が走ってくる。
「こっちだ」
ほっておくわけにもいかず、少女の手をとるとラークは走りだした。
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