第0章 ―絶望の魔術師―

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ザァァァアアア (雨だ…雨が降ってる) (ここは何処なんだろう?) 青年が周りを見渡してみると何も無かった。 雨が強く霧も出ていて先がよく見えない。 植物も動物も人も何もかも、あるのは雨に濡れ泥となった土だけ。 ザァァァアアア 青年が一歩踏み出したとき何かに躓き転んだ。 躓いた先を見ると男が寝ころんでいた。 青年の直ぐ側に居たのに気づかなかった。 「あの…」 男に近づき声を掛けるが返事は無い 「すみません」 (寝ているのかな?こんな雨の中?だとしたらこの人は相当なお馬鹿さんだ) そんな事を思いながらも男を揺すって起こそうとするが、まったく起きない。 今度は強く揺する。 「こんな何処で寝ていたら風邪を引きますよ?」 しかし起きない、流石に不審に思い男を仰向けにし叩き起こそうとした。
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