TRACK 14

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「何でもいいけど……これからどうする?」   「え? あ、あぁ……どうしよっか」     石沢晶と神谷みず希。     二人は高校の同級生にして、フュージョンを基にしたバンド・Tepsのメンバーでもある。     「あ、すいません。コーヒーおかわり」   「……お前、まだ飲むのかよ」   「これで最後にするよ」     かれこれ2時間以上、二人はここにいる。     久しぶりのオフを自宅で過ごそうと思っていた晶の元に、彼女から連絡が来たのは朝9時頃……。     ちょうど、るうなが外出するのを見送った直後だった。     「今から行くからね」     ……その1時間後、晶の家にみず希がやって来て、彼を引っ張り出して連れて来たのが、この公園。     それから、この店自慢のサンドイッチを食べて……今に至る。     「……いい加減、用件を言えよ」   「え?」   「用件だよ。お前が何の用事もなく、俺のトコに来るわけないだろうからな」     結局のところ、晶は訳も分からない内に連れて来られたらしい……。
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