TRACK 15

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時同じくしてアポロ・ジェット……                 ではなく。         その隣のメイド喫茶。         「ん? 弥生、そこのギターって?」   「あぁ、アタシのだよ。弾いてみる?」   「いや、アンタが弾いてなよ」     ふと明里の目に入ったのは、カラフルなステッカーが目立つ黒いSGジュニア。     弥生のメインは相変わらずレスポール系だが……メロディー・メーカーも使い始めて以来、SGも気に入っている様だ。     本人曰く、「SGジュニアは音の立ち上がりもいいし、レスポと比べてチープな感じが好き」らしい。     弥生は店の奥にあるステージに立ち、SGとアンプのセッティングを始めた。     「真由~、アンプ借りるよ~」   「いいよ、100万ね」     店の裏側から聞こえた真由の声を軽く流しつつ、弥生はセッティングを続ける……。     小型とはいえ、マーシャルのアンプはよく歪む。     手慣れた手つきでアンプのツマミを調節し、さらにその上に載ったテープエコー、足元のフランジャーやリヴァーブもイジる。     ただSGを弾くだけだというのに、弥生はやたらと凝った音を作っていた……。
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