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「アンタ、何する気?」
「え?」
ライブ同様のエフェクターを見て、明里は少し呆れ気味に尋ねた。
「ていうか、アンタってテープエコーとか使うんだっけ?」
「まだ使わないよ」
「は?」
「最近さ、音響系のエフェクターとか試しまくってるんだよ。アンプ直ってのも、あんまりやらなくなってるし」
そう言いながら、弥生はセッティングを続ける。
エフェクター群の調整が終わると、今度はギターのチューニング。
半音下げながら、エフェクターの掛かり具合も確認していた。
「へぇ……今はちゃんと考えてんだね」
「もうこれしかないからさ(笑)」
ピンキーを初期から見続けた明里にとって、この弥生の行動は大きな変化に思えた。
……というのも、昔の弥生のプレイというのは、マーシャルに直接繋ぎ、チューニングが狂おうが、弦が切れようが「関係ない!」と、レスポールを振り回して叫びまくるような……衝動的かつ攻撃的なスタイルだったからだ。
今でもそういう一面はあるが、当時のことを考えると、なるほど確かに変化している。
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