TRACK 15

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「アンタ、何する気?」   「え?」     ライブ同様のエフェクターを見て、明里は少し呆れ気味に尋ねた。     「ていうか、アンタってテープエコーとか使うんだっけ?」   「まだ使わないよ」   「は?」   「最近さ、音響系のエフェクターとか試しまくってるんだよ。アンプ直ってのも、あんまりやらなくなってるし」     そう言いながら、弥生はセッティングを続ける。   エフェクター群の調整が終わると、今度はギターのチューニング。   半音下げながら、エフェクターの掛かり具合も確認していた。     「へぇ……今はちゃんと考えてんだね」   「もうこれしかないからさ(笑)」     ピンキーを初期から見続けた明里にとって、この弥生の行動は大きな変化に思えた。     ……というのも、昔の弥生のプレイというのは、マーシャルに直接繋ぎ、チューニングが狂おうが、弦が切れようが「関係ない!」と、レスポールを振り回して叫びまくるような……衝動的かつ攻撃的なスタイルだったからだ。     今でもそういう一面はあるが、当時のことを考えると、なるほど確かに変化している。
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