TRACK 15

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「だからさ、今はこういうのもやるんだよ」     と、弥生の右手が軽やかに動き出した。     メジャー・コードをストロークさせたかと思えば、細かいアルペジオを刻んでみたり、わざとハウリングを起こしてみたりと、多彩だ。     「ふーん、上手くなったもんだね」   「でしょ?」     実に、得意げな表情だ。     「石さんとやるようになってからさぁ、めちゃめちゃ練習させられたの。もう基礎って云うか、フォームの矯正とかスケールを一通りとか、そういうのやらされて……」   「まあ、アンタの弾き方滅茶苦茶だからね」   「うん。それで、石さんと社長に……」     と、何故だか弥生の顔がだんだん青ざめていった……。     「どうしたー?」   「ゴメ、思い出したら気持ちわルクなッて……ウェ」   「何やらされたんだよ」
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