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「ふぅ……落ち着いた」
……と言いつつ、弥生の顔はまだ青ざめている。
髪が赤い分、余計に目立つ。
「なにアンタ、陵南バスケ部並の練習でもさせられたか?」
「何でスラダン……?」
明里の中途半端に分かりづらいボケはとにかく……。
弥生の演奏力が遥かに高くなっていることに、明里は素直に驚いていた。
「凄いでしょ~? ヤヨの奴、頑張ってましたから~」
「うわっ、真由!?」
いつの間にやら、明里のすぐ横には真由が……というか、至近距離に真由の顔があった。
と、ついでに……コーヒーも用意されていた。
「いやぁ、ウチも頑張らないと、ジェット置いてかれちゃいますね~」
「オイ……今、何て言った?」
……真由の言葉も何かおかしい。
真由は明里のカウンター越しに座ると、自分のテレキャスターを取り出した。
「だよねぇ、いろは君?」
「まあ、道星の姉ちゃんが目標ってのは腑に落ちないけど」
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