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何時からそこに居たのか、明里の隣にはいつの間にかいろはが座っていた。
彼はアポロの店番をしていたはずだが……?
「辰野が、店長連れ戻してこいって……あ、真由さん。豆変えました?」
「さすがいろは君、分かってるね~」
「ミイラ取りがミイラになる」って、こんな感じかな……?
一部始終を見ていた(もちろん、いろはが店に入って来たところも)弥生は、何となくそう思った。
……だって、馴染みすぎだしさ。
「ところで空坊、何でアタシを目標にするのがダメなのよ?」
「ん?」
呑気にコーヒーを啜っていたいろは。
どうにも腑に落ちないのは、いろはではなく弥生自身の方だ。
……とはいえ、いろはは弥生の弟・燈佳と親交がある故、何か引いてしまう部分があるのだろう。
友達の妹に下心を抱くような……あの感じに近いんだろうな、きっと。
弥生は、ちっとも近くない結論を脳内でシミュレートしながら、コーヒーを口にした瞬間、いろはの答えが返って来た。
「……なんか尊敬できない。キャラ的に」
「ブッ?!!」
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