71人が本棚に入れています
本棚に追加
「……耳が……」
あれから、どれ位時間が経ったのか……?
弥生の勢いは留まることを知らず、さながら牛追い祭の猛牛か、はたまた湾岸辺りを飛ぶように走るクルマの如く……。
マーシャルからの音は加速度的に炸裂し、コーヒーカップを揺らす。
「……何でもいいけど、誰かアイツを止めない?」
「そうですね……シャイニングウィザードでもかませば、大人しくなるでしょう……」
耐え兼ねない轟音に、明里と真由は耳を塞ぎながら相談する。
……が、その横。
いろはは耳など塞がず、魅入られた様に弥生を見つめていた。
一瞬も眼を離さず、一つ一つの音を脳裏に叩き込んで……
「……あ」
弥生の右側から、真由が飛んできて……
左側には何故か、晶が慌てて駆け寄り……
……ゴン!!
真由の飛び蹴りがクリーンヒット。
……晶に。
最初のコメントを投稿しよう!