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昔の記憶…。
いくら手繰り寄せても、…寂しく孤独な時間しかない。
科学者の両親の間に生まれ、白崎 祐という名前を授かった。
6年間はここ、雛前村(ひなさきむら)で暮らしていたが、の親に連れえられ10年間、世界中を回った。
両親は仕事で忙しく、1人の時間多かった。
様々な場所に移動していたため、友達もおらず孤独だった。
そして今年の4月の頭に雛前村に帰ってきた。
世界を回る前の6年間を共にした仲間は、皆散り散りに都心部やその周辺地域に行ってしまった。
また孤独な時間の再開かと思った。
しかし…、茜は残っていてくれた。
そして茜との昔話などで盛り上がる毎日。
安穏とし、世界中を回った頃では考えられないほどの落ち着いた暮らし。
しかし、それは長くは続かなかった。
――茜の両親が殺された。
それは5月6日の出来事。
5月3日から1人ずつ殺され、5月6日に…たった1日にで10数人もの人間が死んだ。
そこに… 茜の両親も含まれていたのだ。
茜は昨日、5月7日から白崎家に入居している。
気丈な彼女はすでに笑顔を振りまいていた…。
それが逆に痛々しくて…。
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