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『やぁやぁ、祐ちゃん。 殺人はもう起きないよ』
不思議とその声は狂気に満ちていて…。
俺は何も言えない。
心臓の音がやけに五月蝿い。
刹那の停止の次に流れる、永劫に続くような時間。
「ぁ・・・、あ・・・、ぁあ・・・」
口から無様に空気が抜けていく。
「・・・・あ」
そして視界は暗転し、世界は闇に染まる。
体に衝撃。
〝ビチャッ!”という水音。
月光が照らし出すのは、今や血の湖に身を投げた少年の姿だけだった。
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