1人が本棚に入れています
本棚に追加
「やぁやぁ、祐ちゃん!」
「やぁやぁ、不法侵入者」
俺の部屋にずかずかと踏み入ってくるのは、紅渚 茜。
ここでいう不法侵入者というのは、なにも窓の外からきたわけではなく、ちゃんとドアから入ってきている。
なぜこんな説明をいれるのか…。
それは〝自分の家の隣が幼馴染の家で窓を開ければお互い出入りができ、かつそのおかげで数々の素敵イベントが発生した”なんていう
無駄な誤解を回避するためである。
「ちゃんとノックは3回したよ!」
「お前、トイレ入るときはノック何回?」
「3回」
「俺の部屋はトイレか!」
トイレと部屋のドア、ノックの回数が同じだと失礼らしい。
「祐ちゃんや…。」
「なんだい、茜さんや…。」
「お茶ちょうだい!」
「ない」
「ぁ…あ……ぁ…」
口をあんぐり開けて沈黙する茜。
「お・・・拝むから!」
バシッ!と両手を合わせ合掌する茜…。
「拝んでもでねぇよ!」
最初のコメントを投稿しよう!