オワリとハジマリ

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 「やぁやぁ、祐ちゃん!」 「やぁやぁ、不法侵入者」 俺の部屋にずかずかと踏み入ってくるのは、紅渚 茜。 ここでいう不法侵入者というのは、なにも窓の外からきたわけではなく、ちゃんとドアから入ってきている。 なぜこんな説明をいれるのか…。 それは〝自分の家の隣が幼馴染の家で窓を開ければお互い出入りができ、かつそのおかげで数々の素敵イベントが発生した”なんていう 無駄な誤解を回避するためである。  「ちゃんとノックは3回したよ!」 「お前、トイレ入るときはノック何回?」 「3回」 「俺の部屋はトイレか!」  トイレと部屋のドア、ノックの回数が同じだと失礼らしい。  「祐ちゃんや…。」 「なんだい、茜さんや…。」 「お茶ちょうだい!」 「ない」 「ぁ…あ……ぁ…」 口をあんぐり開けて沈黙する茜。 「お・・・拝むから!」 バシッ!と両手を合わせ合掌する茜…。 「拝んでもでねぇよ!」
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