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「ちょっと待った!優くん歯磨きしてないでしょ?全くだらしないんだからぁ。」
全くもって真理菜の言う通りではあるが、俺としては遅刻するよかマシだと思うのだが。
すると突然、真理菜は俺の唇に自分の唇を押し当てた。そして僅かな俺の唇の隙間に自分の舌を内部へと侵入させていった。
真理菜の舌は俺の歯という歯を撫で回した。成る程、歯磨きと称してこういうキスがしたかったってわけか。
「んっ……ふはっ!……はぁ……はぁ……」
舌を入れられた俺よりも真理菜の方がキツかったのか、真理菜は息切れ状態だった。
「…………。」
対し俺は特にどうということもなく平然としている。慣れてるというわけではない、むしろ初めてだが、こいつは突然でもそういう事をする奴だ、と思っていたし、何となくこうなると予想済みだったから驚くことも無かった。
「……ん……はぁ……はぁ……。優くんの口の中……美味しっ♪これで歯磨きはいいね?」
俺はしなくてもいいと言ったから『いいね?』と聞かれても困る。
「……もうちょっとだけ……キスしてもいい?」
真理菜は顔を赤くして聞いた。時間を見ると遅刻は免れない。今から急いでも無駄だろう。
「いいよ、どうせ遅刻だし。」
答えると、真理菜は赤い顔のまま満面の笑みを浮かべた。
そして再び唇を合わせた。
真理菜はまたさっきのように舌を使って俺の歯から舌、内側の皮まで丁寧に舐めてきた。
「んっ……んんぅ……」
真理菜の息は段々荒くなってきていた。こういうキスは向こうも初めてだからなのか、いつもは何でもそつなくこなす真理菜が珍しく手間取っている。
「んんぅ……ふあっ!……はぁ……はぁ……はぁ……んぐっ……」
息するのに限界になったのか、真理菜は俺の唇から素早く離れた。
「……はぁ……はぁ……。……どうだったかなぁ、私のキスは?あんまり上手く出来なかったけど……。」
顔を赤くしながら聞いてくる真理菜は、ちょっと色っぽかった。
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