真実の愛(不倫な純愛)

4/10
96人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
そして… 周囲の好奇の目に晒されている達也さんを楽にしてあげられる… 翔べない女の… 最後の賭けだった。 ………… 送別会。 型通りの挨拶と飲み会が終わると… 事前に… 信頼できる友人と打ち合わせした通り。 友人は私と達也さんだけを残し… 他の出席者達を促して店を後にしてくれた。 …………… 今日の送別会が最後のチャンス。 お酒の力を借りて思いを打ち明けようと… 普段より早いピッチで呑み… キャンドルライトの薄明かりに染められた私の頬は… より紅を増し… 女から男へのプロポーズという恥じらいで… うつ向き加減に話しながら… 達也さんを… 時おり上目遣いで見ても… 正視できない焦点の合わない瞳孔と… 哀願するかのように弱々しく… トロンとした無防備な眼差しに… 同情なのだろうか? お酒が手伝った浮気心なのだろうか? それとも… 以前から考えていた事だったのだろうか? 私の思いを知りながら素知らぬ素振りだった達也さんは… 私にぴったり寄り添い… 私の背中に腕を廻しながら… 熱い眼差しで…
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!