〈00〉序章

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「えー算数の宿題は…」 古びた教室、古びた校舎。 蝉達は一斉に鳴き、夏休みを目の前にして生徒達は浮かれている。 「あと1分……」 終業式が終わり、通知表を配り終え、夏休みの宿題を配っているホームルームの時間、隣に座ってる同じ施設暮らしのレミが小さい声でぼそっと言った。 「?あと20分だよ?」 隣に座っていた少年は答えた。 時刻は11時59分を指している。 授業が終わるのは12時20分だ。 「ううん、あと1分なの」 と、言った直後レミが立ち上がって急に少年に抱きついた。
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