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「おまっ…何して!」
一番後ろの真ん中2つの席にクラスメイトの視線が集まる。
先生もどうしたのかわからずおどおどしている。
「お願い…あと少し……少しだけこうさせて」
少女はぼろぼろと涙を流している。
周りは唖然。
少年だって何をしていいのかわからない。
「もう一度だけ…花火、見たかったな……………今まで…ありがとう……………さよ…なら…」
その瞬間辺りは煙に包まれた。
そして抱いていたものが砂のように溶けてなくなる感触…
「レ…ミ?」
煙を掻き分け見えた先にレミはいない。
「レミ?…レミ!レミーーっ!!」
いつの間にか蝉達は鳴き止んでいた。
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