Mission 2

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生徒会長とヤンキー娘が親友関係であることが発覚してから、翌日。 祐「龍也」 龍「うんっ?」 今日の授業が終わった放課後、鞄に筆記用具等をしまって帰る準備をしていた龍也に、俺は近付いて話し掛ける。イケメンフェイスで振り返る龍也。その動きで何人かの女子が倒れたが、気にせず俺は話を切り出した。 祐「お前生徒会に入れ」 龍「……ふぇっ?」 ──時は少しさかのぼり、昼休憩。 憲「ふふひゃほへひほはひひ?」 咲「龍也を生徒会に?だってさ」 祐「直訳グラッツェ」 昨日と同じく、空き教室に移動してきた俺達3人。昼食を取りつつ、俺は昨晩考えた作戦を2人に伝えていた。その第1手が、龍也を生徒会に入れることなのだ。 咲「んー、でも推薦人とか投票とかが必要じゃないの?そもそも、生徒会役員選挙はまだ先じゃ……」 咲はストローで飲んでいたジュースを机に置き、率直な疑問を口にする。 彼女の言う通り、生徒会役員選挙はあるのは冬だ。まだ知らないだろうが、生徒会メンバーは受験で忙しくなく、等不恋芽学校をある程度把握した2年生なのが条件。なので、選挙は1年生を対象に行われている。言い換えれば、龍也は既に生徒会に入れる時期を逃しているのだ。 ──特例を除けば。 祐「心配はいらない。なぜならここ、等不恋芽学園の生徒会に入る方法は、選挙だけじゃあない。会長と1対1の面接で合格すれば、特例で入れるんだ。2年生なのが条件だけどな」 咲「ええっ!?」 初耳の情報を聞いた咲は、驚き過ぎてうっかりジュースを溢しそうになる。そのまま憲にぶっかければ面白い映像が見れたのに。 咲「そ、そんなことで!?超簡単じゃ……あれ?じゃあなんで生徒会の人数はあんなに少ないの?面接で決まるなら、もっと多くてもいい気が……」 憲「清く正しいあの生徒会長が、会長目的の奴を入れると思うか?」 咲「あっ、なるほど」 憲「だろ?で、それを踏まえて祐に聞くけど、難関大学よりも難しいんじゃねぇかって噂の面接に、龍也が合格すると本気で思ってんのか?」 祐「無論。あの純粋で真面目で高スペックな龍也なら100%大丈夫だ」 食事中に指を差して質問してくる、お行儀の悪い憲に、俺は合格できると断言した。 ──そんな会議があり、俺はこうして自ら、龍也に生徒会へ入ることを薦めたのだ。
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