第一章『傘』

10/30
前へ
/87ページ
次へ
「龍ちゃーん だいじょうぶー?」 痛い 「ぎゃははは」 痛、い 集団暴行? えっ、今時あんのかよ そんなの… 古いんだよ、バーカ いじめなんかも 最近ないんだからな ふざけんな、ふざけんな 俺のこと 仲間はずれに するだけじゃないのかよ 最悪、ほんと、最悪… 負けず嫌いだし やられっぱなしも嫌だし 「やめろよ! ふざけんな!!」 抵抗もするけど 五対一じゃ そりゃ、無理で。 ムカつくし イライラするし なにより何もできないのが 悔しかった。 こんな子供みたいな 奴らに! 皆ほんと子供だ、 くだらない。 それから 子供みたいなアイツらが 嫌いになった。 でも学校に 行きたくないなんて 思わなかった。 不登校なんかになったら それこそ 俺から負けを 認めたみたいだし… 負けず嫌いの血が 許さなかった。
/87ページ

最初のコメントを投稿しよう!

851人が本棚に入れています
本棚に追加