面白くない僕と面白い世界

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僕は普段、面白くなる為には、と考えている。 とりあえず面白い人を観察してみようかな、と思い町で見かける面白い人を付け回したりする。それが癖のようになってしまって困っているけど。 まぁ、とりあえず何で面白くなりたいのか、ってのを説明してみようか。 簡潔に言おう。高校一年生、六月中旬……にして友達が居ない。友達は居ない!! 最初は女の子とか寄って来てくれたけど、変な噂が流れてしまって誰も僕と仲良くなりたがらない上、虐めたりする。 僕は悩んだ。こんなに強そうな顔をしているのに!(自称)体格も良いのに!(思い込み)なんで虐められるんだと! 結論、僕が面白くないからイライラする、に辿り着いた。それから僕は常日頃面白くなれる方法を考えている。 「んんー……あ、ちょっと」 通りすがりの茶髪で、長い髪で、今っぽい人に話しかけてみた。 「あぁん!? なんだテメーはァ!!」 「駄目だ。マニュアル通りなんだ! その答えは一般人と同じなんだ! 君は僕より少しレベルが高いだけなんだ!」 「は、はぁ?」 「もっと面白い回答は無かったのか! 僕が言える立場じゃないのは分かる。だけどせめて、せめていきなり殴った後に金を奪い取るくらいの横暴な行動はぐえぇっ!」 台詞の途中で殴られてしまい、怯む僕。 すると彼に近寄る一人の女性。 「お待たせー。どうしたの?」 「あ、いや……何にもねぇ。ただここに変な奴が居るから関わらない方が良いぞ」 「そう? じゃあ行こうか」 カップルか何かだろうか。二人は行ってしまった。
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