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自分が課した課題に対して、満足いく解答を聞いたユルマはすっかり機嫌を直しつつもその口からは、
「勉学は秀でてるのに、なぜ錬金術が使えんのかなぁ。」
と、ぼやきが出るのであった。
そう、たった今お小言を頂いたカルマ=ディエゴこと、俺は錬金術が使えない。
何故かはわからない。いや、極稀に体質的に使えない人もいるらしいのだが、俺には錬金術の替わりに、ある特殊な、それこそモンスターのような力が先天的にある。
学会の解釈では、それが何を起因として発現しているかわからないが、錬金術を使えない原因であることは間違いないそうだ。
と、自分を客観的に振り返ったところでちょうど授業が終わりっと。
放課後することもないし、あいつらを誘ってギルドに出向いて生活費を稼ぐかな。
教室の中の特等席。
窓側、一番後ろの席に座る赤みのある茶色の髪を短く切り揃え、そのつぶらな瞳で机の上を凝視している少女にカルマは近づいていく。
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