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「よう、授業終わったってのに熱心に…………………………………なにしてんだよ?」
てっきりまだ教科書や、学術書を開いてると思っていたから、つい呆けた声で尋ねてしまう。
「見てわからな……っい?」
いや、わかるけど、
忙しなく指を動かしながら少女は答える。
「ゲームよ、ゲームっ!
おっと、
先週発売されたモンスターマーダーよっ、ほっ、危なっ!」
「あぁ、あの実在するモンスターをいろんな武器で駆逐するやつだろ?」
そういう意味の質問じゃあなかったんだけど、まぁいいや。
少女、サラ=コーディア。錬金術学位三位取得者にして、俺の幼馴染みである彼女の前の席に座り、しばらくそのボタン捌きを拝見しようか。
長い。かれこれ20分は経ったのに一向に動きが止まない。
もう話しかけてもいいだろ。
「なぁ、それよりさ、ギルドいって本物のモンスター相手にしようぜサラ?」
未だ目をゲームに向けたままサラは答える。
「ん~、良いわよ。これ買ったから私も今月厳しいし、だけどもちょっち待って、もうすぐこいつ
殺れるから。」
女の子が野蛮な言葉使っちゃいけません。
サラと俺は互いに独り暮らしだから、生活費の工面のためアルバイトやギルドに顔を出して日々の生計を立てているのであります。
それからまた、20分経ってようやく俺達はギルドへ向かうため教室を後にした。
………後で、ゲーム貸してもらおうかな、
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