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「すぐに来れるって?」
携帯型通信機を閉じながら俺は、肯定の返事をとる。俺らの他にあと二人、天使族と悪魔族が加わることで、いつものパーティーが完成する。
ギルドは、それ自体が酒場と一体になっているので時間を潰すことには苦労しない。
何より、隣でサラのゲーム捌きを見ることも割りと楽しかったりする。
「そういえばさ」
手を休めることなくサラはこちらに顔を向ける。
すごいな、手だけが別の生き物なんじゃないか?
「最近孤児院の方はどうよ?」
「昨日行ってきたけど、相変わらず。三つ子もやんちゃだし、ノッポは本ばかり読んでる。あ、でもガリは少し逞しくなったな。」
自分の育ちの家だけに自然と顔がほころぶのがわかる。
サラも心なしか、穏やかな顔だ。あ、モンスター倒した。
「院長先生はどうだった?」
「すごい元気、昨日も小言言われたよ。」
俺が、一人立ちしてギルドで生計を立てるっていったときにはすごい反対したのに、今では
「稼いでるんなら少しは院に入れてくれればって、ぼやいてた。」
「元気そうで何よりじゃない。
あ、そうえばさ、」
言いかけたところで、ギルドにざわめきが起こった。
俺たちは顔を見合わせ、入り口に向かう。
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