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3月29日、快晴。
窓の外の景色は次第に都会から郊外、そして田舎へと移り変わる。
向かい合わせのボックス席の目の前には父さんと母さん。
左を向けば我が最哀の妹、陽和(はるな)が窓ガラスにへばりついて雄大な自然にご執心の様子。
ここで確認しておくが、最哀というのは誤字でも何でもなく、俺の陽和に対する感想そのものである。
どれぐらい哀しいのかは追い追い理解していただきたい。
いや、ぜひ理解してください!
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申し遅れたが、俺の名前は天夏太平。
来月から高校の2年に進級する16歳だ。
今後ともヨロシク。
よく、というか常に初対面の人には読み間違えられるが、『てんかたいへい』ではなく『あまなつたひら』と読む。
学校ではサッカー部に所属していて、ポジションはGK。
だからと言って、ずば抜けて身長が高いというわけでもない172cm。
まぁ、平均ちょい上ぐらいだ。
そんな感じで自己紹介は終了っ!
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「ねぇ、お兄ちゃん!聞いてる?」
おっと!妹が俺に話し掛けていたようだ…。
「…あぁ、スマン。ちょっと異世界の住人とコネクトしてたから聞いてなかった…」
「意味分かんないよぅ…。」
軽く頬を膨らませてスネる素振りを見せる陽和さん。
兄として、少し構ってやるか…。
「…で、何の話だ?」
「…ん~、忘れちゃった!」
てへっ!と短く舌を出して苦笑いする我が妹。
こうして他愛もない会話をしている分には、どこにでもいそうな普通の妹なんだけどなぁ…。
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