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ここで改めて我が妹を紹介しておこう。
天夏陽和(あまなつはるな)15歳。
この春、受験戦争を乗り越えて第1志望の高校(俺の通う高校)に合格したばかりだ。
左右の耳のうしろあたりをゴムで束ねただけのお下げ髪が、まだまだ中学生っぽさを残している。
身長は150cmぐらいか?
友達連中と比較しても小さい部類に入るだろうに、身長以外の発育具合が俺計算で全国平均を遥かに上回っているので、時たま目の遣り場に困ったりもする…。
ま…まぁ、そんな話は置いといて…。
そもそも今日こうして家族4人で電車に揺られているのも、陽和の合格祝いに山登りをすることになったからで…って、なんで山なのか未だに解らんっ!
俺は陽和に聞いてみることにした。
「なぁ、陽和。なんでいきなり山登りなんて言い出したんだ?」
ほへ?…と、不思議そうに首を傾げられた。
「そんなの決まってるよ。そこに山があるからだよ!」
お前はどこの登山家だ!?
なんか腹立たしいので、デコにチョップを叩き込んでやりました!
痛いなぁ、もう!…と、大して痛くなさそうな顔で陽和が抗議してきたと同時に電車は駅に停車して、
「さぁ、降りるぞ。忘れ物するなよ」
…と言う父さんの一言で、俺たちの兄妹喧嘩は未遂に終わったのだった。
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