1☆やたら奇特な妹ですが

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駅から歩くこと30分、ようやく俺たちが宿泊するコテージに到着した。 コテージは父さんの会社の保養所ということで、事前に予約を入れておけば宿代は無料とのこと。 すぐ近くには温泉宿もあって、宿泊客以外にも温泉を開放しているらしい。 コテージは思っていたよりも広く、もともと団体で宿泊できるように設計されたのだろう、1階にも2階にも結構な部屋数があった。 「お兄ちゃんは、どの部屋で寝るの?」 2階の部屋を覗き回っていたら、いきなり背後から声を掛けられてゾクッとなる。 まぁ、理由はそれだけじゃないんだが…。 「まだ決めてない。それに、どこだっていいだろ!」 動揺を隠せず、つい語気が荒くなってしまう。 陽和は俺が覗いていた部屋に入り込んで、 「この部屋なんていいんじゃない?景色も綺麗だし、2人で寝るには十分な広さだしね…」 2人で寝ると言い放った! 俺がゾクッとしたもう1つの理由…。 どういう理屈かは知らないが、陽和は俺と2人きりになると人格が変わるのだ! いや、人格が変わっているのかどうかもよく分からないが、少なくとも行動原理は3歳児レベルに退行する。 さらに困ったことには、言動自体は普段の陽和のままなので、 「ねぇ、お兄ちゃん!今夜は陽和と一緒に寝てくれるんでしょ?陽和の合格祝いなんだからいいよね?」 …と言いながら俺の左腕に抱きついてくるもんだから、先ほど述べた発育うんぬんの結晶をじかに体感するハメになる訳で…。 「いくら陽和の合格祝いだからって、一緒に寝るなんてダメだ!」 俺は慌てて陽和を振り払った。 いや、慌てるよね?普通…。
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