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―――――――――。
「おいっ! どこ行くつもりだよっ!」
「屋上だよっ! 何か周りには聞かれたくないけど言いたい事があるんだろ?」
春久のこういうところは流石と言うべきだろうと俺は思う。
やはり長年親友として付き合ってきた仲だと悩んでいることが伝わるのか。
―――屋上―――
最上階の重い扉を開き、少し肌寒い風が俺達の体を通り抜ける。
「で、何か考え事してたんだろ?」
春久は首を傾げて俺に再び聞いてきた。
「あっ あぁ… あのさぁ…
廊下側の席でいつも本読んでる女の子知ってるか?」
俺は少し歯切れ悪くも春久の質問に答える。
「廊下側で…本?」
すると春久は右に傾げた首を左に傾げ顎に手を添えると、頭の中の記憶を探り該当する人物を思い浮かべる。
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