15人が本棚に入れています
本棚に追加
南の島の宿泊施設と云ったら、水上バンガローだろ。
なあんて。
少し期待していたこともなくはない。
だが、それが可能なのは常に手入れする人間が居る場合。
分かっていたさ。それ位。
ウッドデッキの白い海の家。
これはこれで南の島らしい。
その屋根にデカデカとしたソーラーパネルが付いてなけりゃ。だが。
人口一名の王国には鍵なんて必要ない。
その証拠に、玄関ドアはすんなりと開いた。
足を一歩進めて、太陽光発電が良好なのが分かった。
ファン付きの照明のファンが、ゆっくりと回り、それだけで涼しい空気が流れていたからだ。
カラッとした気候のここは、日陰に入るだけでも暑さを凌げる。
恐ろしくゆっくり回るファンだが、もう少しスピードを上げたら肌寒くなるだろう。
亡き父の言った通り、事前に手入れした様子で
ファンのおかげか埃っぽくはなかった。
元から何日かの滞在を目的にしていたのだろう。
キッチンやバスルームがしっかりしていて安心した。
キッチンの火力は電気で、毎回補給にガスタンクを積む危険はなさそうだ。
問題は水。
あちこちにボトルが有るのを見ると、ここでは真水は手に入らないようだ。
旧型の大きな冷蔵庫が有り助かった。
中にはワインとパイナップルのラベルの黄色いジュースと、見たことのないビール瓶。
ビールを栓抜きで開け、そのまま口を付けながら、各部屋を覗いた。
結果から言うと、
直ぐにでも住める環境で軽く掃除をしただけで済み、キングサイズのベットで直ぐ様休むことが出来た。
時間はたっぷりと有るので、疲れに身を任せて昼寝することにした。
*
最初のコメントを投稿しよう!