彼のアクション

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最初の数日は、ガレージの二階の整理とセスナの荷物の運び出しに時間を費やした。 一人の自由気ままな生活とはいえ、規則正しい軍隊に所属していた俺は、同じ時間に起床、朝昼晩の食事と消灯。 同じ年頃の男の誰よりも、健全な生活をしようとしていた。 外に出れば目に染みる青い空。 あまりにも見事で一人で見るのが勿体無いと思うくらいだ。 「色素が薄い人間が優れていると最初に言った奴! ここに来て、俺と同じ位焼いてみやがれ!! くそ~ヒリヒリするし真っ赤でみっともない‥ 調子に乗って裸で居るんじゃなかった!」 いくら人口一名の楽園でも、開放的になり過ぎるのはよくないらしい。 こんがりと小麦色に焼ける人間が羨ましい。 そんな風にはしゃいで、悲しみだとかの負のカンジョウを見ないようにしていた。 肌の弱さは、長袖の衣服を着用でカバーすることにした。 住居に蓄えられていた保存食と、セスナ備え付けの小さな冷蔵庫に詰めてきた食料が底を尽いてきた。 そろそろ補給の買出しをしなければならない。 南国のフルーツが沢山植えられていたが、それだけじゃ腹の足しにはならないし、熱帯魚はカラフルで食うには不味そうだ。 仕方ない。買出しに出るか。 俺は地図を取り出し、手頃な買出し場所を探した。 出来れば今は、余計な人間の接触は避けたかった。 何かに触れれば、蓋をした悲しみが顔を出してきそうで怖かった。 俺に降りかかった不幸は、父がフィルターを掛けて まだまだ他人事に感じるだけだった。 必要なものと欲しいもの。 思いつくままに全てを書き出してメモした。 ~が足りないから一寸買出しに。なんてこと、距離的にも燃料費的にも容易に出来ないからだ。 俺はセスナで青い空を舞った。 *
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