入学式

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母にハミルと呼ばれた男が私の顔をジッと見てくる。 紅く燃えるような瞳。 高い鼻。 整った顔立ち。 長身でスラッと長い足。 色素の薄い茶色の髪が良く似合う。 …かっこいい 「ああ。この娘は春香。私と海の娘よ」 「なるほど」 ハミルは納得したように手を叩くと続けた 「それで寿命が曖昧なんだ」 「あんた協会に認められて何年たつのよ!!すぐにわかりなさい」 母があきれ返ったように言う。 するとハミルは手を会わせて謝るとまた中に浮いた。 「じゃあ俺そろそろ行くわ」 「ハミル。後でゆっくり話がしたい。入学式の後空いてる?」 「もちろん。俺も入学式参加するし、終わったらまたここで」 「そう。じゃあ後で」 「ああ」 返事をするとハミルは姿を消した。 「あの…お母さん。ハミルって何者?!」 「死神よ」 母は歩き出しながらそう言う。 「ちょっと冗談やめてよ」 「何言ってるの?ほんとのことよ。それじゃ春香。三年間頑張ってね」 「はい?」 「じゃあねー」 母はそう言うと手を降りながら体育館に入って行った。 「嘘でしょ?」 死神なんて信じないから!!
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