5/14 Zepp Osaka

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dead tree 京が上手側ステージ袖に行きスタッフから何かを受け取る。マイクを交換したのか?何かはよく見えなかった。イントロ…歓声が上がった。お立ち台の下、下手寄りで京がリズムをとる。朝日色、夕日色にステージが染まる。枯木よりも明るいその色に美しさを感じた。その色は曲の途中で白になり、無の世界みたいで曲を象徴していた。no one…は2回目から言わせてた。叫ぶ。周りは控え目。最後のサビ前ではお立ち台の上に乗り、両手を開き上を向き歓声を浴びる京。京、京って叫んでも首を振られ、マイクで左胸を何回も打つ。 ザクロ え……周りも驚きの歓声。一瞬わからなくて、気付いた、ザクロだ………。寒気がした。こんなに暑いのに、こんなに汗をかいているのに、寒気がして震えた。涙が零れた。○○の十八番。昔の話。そんなことを思い出して、いつもカラオケでは歌うと泣いてしまう曲。声を出して叫んだ貴方の名前…でもね今はそれでも私はいいの、いつか心の中で貴方を…さっきまで私をセンターに押していた男に分かってしまうくらい震えながら泣いた。お立ち台の下で静かに歌う京。夢を見ながら明け方目を覚ましたこととか、手紙を燃やしたこととか、去年末狂ってたこととか、指輪とか、手首とか、全部全部全部、甦って、初めて○○と叫びそうになった。そのままに歌ってくれてありがとう。伴奏の消えた中、あなた、と言った京に、愛してると歌う京に、涙した。最後の愛してるのところはオリジナルとは違って、違うリズムに違う歌詞で歌ってた。音と場所が悪くて何と言ったかまではわからない。最後にまた、愛してると歌った。 INWARD SCREAM お立ち台に膝を着き重低音と赤ちゃんの声の中お経。スモークが激しくて、いつもなら京の体から赤い湯気が立っているか、火の中で叫んでいるかのように見えるのに、今日はスモークが京に吹き付けているようにしか見えなかった。残念。これから怒涛のセトリが待ってそうで、ポカリを飲んだ。
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