死別

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学校で英語の授業中、教頭が教室に入ってきて担任に何かを話してる。 二人の視線があたしに向いた。 「武中。」 「はい。」 「すぐに帰る準備をして職員室に行きなさい。」 「何かあったんですか。」 「いいから、早く。」 言われるがまま、帰り支度をして、友達にばいばいして職員室に行った。 「武中、ご両親が事故に遇われて病院に運ばれた。病院まで、一緒に行くから。」 「はい。」 ☆病院☆ 「武中さんの御家族のかたですね。娘さん?」 父と母は、集中治療室にいた。 「車で正面衝突事故よ」 看護師さんがそっと教えてくれた。 「手を握ってあげて」 父の手を握った。 そして握り返してくれた。 一瞬、ぎゅっと力が入った気がした。 でも次の瞬間。。。 「先生!!」 心臓が停止してしまった。 あたしは何度も 「お父さん」と叫んだけど 無理だった。 泣いてる間もなく 「お母さんの手を握ってあげて。」 「お母さん。がんばって。」 すると 「優芽。ごめんね。しっかり自分の人生、生きるんだよ。お母さんの分まで。」 次の瞬間。。。 亡くなった。 あたしは。。。 悲しすぎるのかまだ受け止められないからか涙が出なかった。 駆けつけてくれた親戚の人。 その中に昔一回だけ会ったことのある遠い親戚にあたるお兄ちゃんが 「はい。」とオレンジジュースを手渡してくれた。 「ありがとう。」 何も会話はなく隣に座っていてくれた。 そのお兄ちゃんのお母さんて人が 「優芽ちゃん、お家まで送るわね。」
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