死別

3/3
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
送ってもらう車の中、 叔母さんが誰かと電話をしていた。 「でも、うちは武人もいるし無理よ。あなたは女の子ばかりなんだから、そっちでお願いするわ。」 自分のことなんだとすぐにわかった。 あたしは言った。 「叔母さん、あたし、一人で暮らします。家にはもう住めないけど、親が残してくれたお金でなんとか卒業するまでは暮らせるだろうし、卒業したら働きますから。」 ずっと家にいなかったし。 いつもテーブルには毎日1万円おいてあった。 だからその1万を毎日御飯を買って残りは貯めていた。 かなりの額になる。 家事も最低限はできるし、自分のお弁当も作れる。 だから叔母さんに言った。 「迷惑を一つだけかけるけどマンション借りる保証人になってほしい。」 叔母さんは 「何をいってるの。あなた一人でなんて無理よ。まだ話し合い中だから、待ちなさい。」 「でも、いま、家に一人で帰るんだよね。一人でいないといけないんでしょ。決まるまで。」 「そうだけど。」 「叔母さんも無理しなくていいよ。」 「じゃあ、とりあえず今日は帰るけどまた来るから。」と10万を手渡された。 あたしは帰ってすぐに瓶に入れた。 「一人で暮らしていこう。」 母親がいつもしまってた通帳と印鑑。 「何かあったらこれでなんとかしなさい。」いつもそう言われてたから。 通帳みつけた。。。 「お金が。。。マイナス?」 どういうこと? とりあえず、自分の貯金で暮らすことを堅く決意した。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!