逃走

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…ブロロロ。 バスのエンジンがかかり三人が乗り込もうとすると 「待ってくれ~…。」 生き残りの集団が走って来た。 「だれだ…あれ?」 俺の質問に 「三年の紫藤だな。」 あれか…。 「紫藤!?」 その名前に麗が凄い反応した。 「早く出して。」 「ちょっと待って下さい。」 孝と俺で警戒してると 「あんな奴、助ける必要なんてない!あんな奴死ねばいいのよ。」 麗が猛反発した。 「でも、助けないと。」 孝と麗が言い争っているうちに最後の集団がバスに乗り込んだ。 そして、俺は見てしまった。 紫藤は足を捻った生徒を蹴り飛ばして囮として利用したのだ。 バスは虚しくも発進し、乗り込んだ生徒は皆イスに座った。 「ありがとうございます。毒島さんがリーダーですか?」 紫藤は『リーダー』を強調して聞いた。 「リーダー?そんなものはいない…私達は生き残るために結束しているのだから。」 この答えに紫藤は微笑んだ。 「リーダーがいない?いけませんねぇ…チームには必要なんですよ、『リーダー』が。」 それに対して毒島先輩は素っ気なく「そうか」と応えるだけだった。
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