最後の最高の恋

出会い

季節は梅雨明け
もう夏みたいな日が続く。
夜もエアコンの効いた
部屋でないといられない。
そんなある日の夜。

【今同じ県に住んでいるんと思うんだ。いつか焼き肉食べに行かない？】ってその男からメールが届いた。

(唐突過ぎる！だから逢わないって。やっぱり怪しい…)

聞けば 一人暮らししているから
しばらく焼き肉屋には行っていないとか…。

私も確かに 子供も小さく
焼き肉屋なんて
しばらく行ってない。
だがなぁ…。

(やっぱりリアルは無理だよ。なぁ～。恐いよ…。妄想なら付き合えが…(笑))

【焼き肉食べて、花火でも一緒にしよう。もちろん子供も連れておいで】と。

そうだね。楽しいかもしれないね。浜辺で花火かぁ～。想像してしまった。

(そう言えば花火なんて
何年ぶりだろう。
学生時代にはしたが…
後は花火大会ぐらいだ。とは思うが…。
いくら考えても怪しい。)

その頃、旦那はいても 父親らしいことなんて 何一つしてくれず…。
大好きで結婚し 子供が出来 誰も知らないこの地に来たのに。頼れる存在すらいない。ただひたすら 仕事し 子育てし…。

それでも 子供は可愛く 同僚は皆優しく 私の家での ホームパーティーや飲み会等時々したり それはそれで楽しかった。 貯金が出来るぐらいの収入もあり、健康で…。
充分幸せだった。平和な幸せ。

その男と時々 メッセージ交換していたが いつしか 焼き肉の話題もなくなり 妄想で終わりをみせたかのように思えた…。

ネット上では 少なからず
このような 見ず知らずの男女が
出会い 文章のやりとりを
していることだろう。

何か一つでも
惹かれる部分があれば 継続するが
どちらかが 退けば それっきり。
尚更出会いを求めていない
私ならここで終わり。
リアルを追求する男なら…
私ともきっともう終わりだ。

この男との出会いも そう言うたぐいかと…。

しかし…。