火照り

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私はその言葉にビクッと反応した。 なっ名前……? 「俺は沙羅乃 朝緋だ」 うん。存じております。 お願いだからそこで終わら「お前の名前は?」 そうですよねー 名乗って終わりとかあんまないですよねー ええと…… 「よ……よ…… 蓬 百合(よもぎ ゆり)……です!はい!」 即興で作った名前。 よもぎ餅とユリの花好きなんだ私!! ……うん、そんなの言い訳にならないよね。 分かってる。 私にネーミングセンスなんていう物は存在していない。 百合なんて名前可愛い過ぎてなんかゾワゾワして来る。 「蓬 百合……か……」 やめてーーー!! その美声でその妙な名前呼ばないで!! 何か凄く恥ずかしくなるから!! 「綺麗な名前だな」 そう言って微笑んでくれた彼の笑みの方がとてつもなく綺麗だった。 自分では酷いと思ってた名前なのに…… 彼が綺麗だと言ってくれただけで好きになれた気がした。
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