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私の家――マンションの前に着く。
「私ここの四階に住んでるんです」
「へぇ……
俺んとこと結構近いんだな」
「え?どれくらいですか?」
マンションを見上げながら呟く沙羅乃の言葉を聞いて問いかける。
“黒狼”の家と近いんだったら色々面倒が起こるかも……
と私は心配していたのだが、
「バイクで三十分」
……いや……
十分遠いと思うんですけど……
余計な心配だったらしい。
「あっあのっ
今日は本当に色々とありがとうございました
お礼出来なくてすみません……」
ぺこりと私が頭を下げると、沙羅乃は顎に手を当て、暫く考えた後口を開いた。
「お返しはして欲しいな……
なぁ、ケータイ持ってるか?」
「え?あっはい」
バイト先へ連絡したり、連絡いただいたりの時のためにケータイは持ち歩いてる。
私は鞄からケータイを出して見せた。
「お前は赤外線受信な」
「へ?」
一体今から何が始まるのか分からず首を傾げる。
「お前はとにかく赤外線受信にすればいいんだよ」
「あっはい」
一応言われた通りにする。
そして私が画面を見つめていると、画面に文字が映しだされた。
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