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「あったぁ!!」
私は定期を受け取り歓喜に飛び跳ねる。
「おっおい、また転……」
ぶぞ、って沙羅乃の言葉は続くんだったと思う。
でも、それが途中で止まったのは、私が沙羅乃の方に向かってバランスを崩したから。
沙羅乃は避けることなく私を受け止めてくれた。
洗剤なのか優しい香りが鼻をくすぐった。
わざとじゃない
でも……
心臓がドキドキして……
嬉しかった。
これ……
完璧に好きになってるじゃん!!
どうしよう!敵なのに~!!
一人でパニックになってる私の頭上で深いため息が聞こえた。
「昼間転びかけたのもう忘れたのか?
飛び跳ねたりなんてしたら転ぶに決まってるだろう」
顔を上げれば美形が目の前に。
カァァァと顔が赤くなっていくのが分かった。
「ごっごめんなさい!」
私はすぐに沙羅乃から離れた。
心臓の音が五月蠅すぎる。
落ち着け私の心臓!!
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