序章

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序章

 別れは必然だ。  兄貴はなにもいわずいなくなった。  数日が経って、父と母は普段の通りに食卓につき、もう諦めがついていた。だが、俺はいまだに兄貴を待っている。  頭をなでられた記憶。  触れられた感触がそうさせた。  だが、時間が経つと人は忘れることを知る。  俺は、いつになったら諦めをつけるのだろうか。この煩わしい感情。  本当はもうなんとなく悟ってるんだろ?  あぁ、もう兄貴は帰ってこないんだ。
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