見つけた｡

僕は彼女との対面を願いつい`会える時間が取れそうなんだ'とﾒｰﾙで言う様になっていた｡気が付けば彼女からのﾒｰﾙは上辺だけの返事がたまにくるだけになっていた｡`どうしてﾒｰﾙくれないの?一言だけでもいいんだﾒｰﾙちょうだい!'こんなﾒｰﾙ貰った側もうざくなるだろう｡そんな事をチラッと思いかすめながら必死に送り続けた｡きっと彼女はこのﾒｰﾙを読んでいるという確信があったからだ｡
そんな時､今､大注目の若手俳優との共演が決まった｡
あとから聞いた話だが彼はしばらくもしないうちに美しい女性と結婚して身を固めていたらしい｡結婚か...もし自分が身を固めるならもちろん彼女しかいない!僕は奴が大いに羨ましかった｡思い通りに生きている､奴が｡ように見える奴か?
そのうち彼女とﾒｰﾙを始めて一年が経ったのだろう｡最近では独り言を毎日言っているかのように思えて来ていた｡僕は辛くなっていた｡彼女をこんなｻｲﾄにいつまでも居させる事が不甲斐なかったのだ｡僕がいつまでも連絡先を交換出来ないでいるせいで彼女もここから抜け出せないでいる｡そのうち彼女は僕の事を振り向いてもくれなくなるだろう｡
どうすれば一日でも早く彼女に会う事が出来るだろう｡それしかなかった｡