見つけた。

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僕はただ彼女との会話が楽しくてたまらなかった。そして恋という高鳴る胸の音に気付いてしまっていた。そしてある日思い切って、僕は君に会いたい!貴方が好きだから。一世一代の告白だった。すると彼女は`会いたいね。私も会いたい'と返して来てくれたのだ。それからは二人の燃え上がる思いが毎日の様に交わされた。彼女を連れて行きたい所一緒に行ってみたい所が次から次に湧いて来る。ところが現実はうまく行かないもので、僕の仕事は後から後からスケジュールに詰まっていたのだ。向こう一年びっしりの生活を考えると彼女に会える時間を作るのは至難の業ではないか。ため息ばかりが続いて出て来るだけだった。は~っ!彼女の事を考えると何も手に付かなかった。ハッキリ言って仕事も上の空な時があって今言われた事もすぐに忘れてしまう始末だ。ある日スタッフから「何かいい事でもあったんですか?最近やけに嬉しそうですね」などとからかわれてしまう有様だった。これではいけない!自分を奮い立たせては見るが常に考える事は彼女の事だった。普通好きな人が出来ると仕事にも力が入ると聞いていたが僕の場合は違うのか?もしかして僕は馬鹿なのか?と悩む程はまり込んでいた。そばにいないというハンデが僕をそうさせているのだろう。僕は一日でも早く彼女にそばにいて欲しかった。何とかならないものか。考えあぐねていた。
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