見つけた。

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僕は彼女のイニシャルと年齢と所在地が分かっていた。が本名だけは知らなかった。聞けなかったのではなく、あえて聞かなかった。何故なら直接会って教えて貰うつもりでいたからだ。あとは肝心の連絡先。これが揃えばもう彼女との間に障害は何一つなくなる。そうなれば僕達二人の絆は確かな物になりどんどん深めて行く事が出来るじゃないか!とにかくこの過密なスケジュールを少しでも素早くこなし時間をあけよう。そうするしかない。分刻みでどうしようもなく窮屈な一日の仕事に立ち向かうことを覚悟して僕はがむしゃらに仕事をこなして行った。もちろんマネージャーにはまだ内緒にしておいた。彼女のとのことがバレれば心配するだろう。それよりサイトから抜けさせられるだろうから。僕はある程度今の気持ちが固まれば打ち明けるつもりでいた。これから先もずっと彼女に自分のそばにいて欲しいと思った。僕にとって彼女はいつの間にか大切な人でありかけがえのない人になっていた。僕は本気だった。
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